2007年12月21日金曜日

富士の山と三つ峠の山


天保時代のものとされる『甲斐神鈴峰之図』。
ここに富士が描かれていることに、何となく疑問を感じていた。
三つ峠の登山道を歩いても、かなり上に登らないと富士の姿が見えない。
『股覗き』でようやく見える。
しかし、すぐに見えなくなり、次は『八十八大師』か『親不知』だ。

絵図には、里の姿から三つ峠山頂まで描かれている。
どうも、山頂から見る富士の姿には感じられない。
この疑問が解けたのだ。

実は『だるま石』よりも手前、現在の『神鈴の滝』付近、
尾根の向こう、ここから富士山が眺められたのである。
現在は樹木のため、それが出来ない。
『山祗神社』から、登山道を歩いていくと、
すぐに富士山が見えていたのである。
そして、前方には三つの峰。
絵図のように、三つ峠も富士も見えていたのである。

180年前の人々が感じていたものが見えてくる『神鈴峰之図』。
三つ峠は、三峠。
けっして、御巣鷹、開運、木無の山のことではない。

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