2010年7月11日日曜日

三ツ峠のとよ女の伝説

とよの伝説の舞台は5月5日の権現様のお参りである。では権現様とはどこか?
神鈴権現であり、三峠権現のことである。 これが存在するのは表三ツ峠の中峰の神社、裏三ツ峠の御巣鷹の尾根の神社である。
現在でも続けられている祭礼である。大幡では麓に降ろしているが、下暮地では岩下の社まで行くのである。犬のお札、猫のお札が配られる。伝説では、とよは可憐な花となる。悲しく、美しく。
伝説はその後、河口村のとよと伝えられるようにまでなる。
西面には三ツ峠に対する神社、信仰はない。三ツ峠の権現様の祭礼となれば、大幡村か下暮地村のとよであると考えるのが自然のように思える。 また、とよの花が咲くのは新暦の5月、旧暦5月では散ってしまっている。 以前述べたように、地球の寒暖周期による江戸期が寒冷期であったことを考慮すれば辻褄が合うのかもしれない。 昭和期の伝説には、それ以前のものと異なる意図が働いているようにしか思えない。 大幡、下暮地の住民には純粋な三ツ峠への思いが古くから、そして今でも続いていることを感じていただけないでしょうか。

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